こちらはボストンテリアさんの腸管内異物。
すももの種が出てきました。
ゴミ箱をあさったようです。
異物が動いてきた腸管はかなり傷害を受けているのがわかります。
異物の右は正常な腸管。左は傷んでいる腸管。
ゴミ箱に捨てても安心しないでくださいね。
きちんと封をするか、ゴミ箱に蓋を付けるなど、ゴミ箱をいたずらするわんちゃんにはご用心下さい。
暖かくなったと油断していたら、急に朝夕冷え込みが厳しい京都です。
風邪引きさんが多い今日この頃ですね。
ところで、わんちゃんたちは相変わらず異食が多いのでお気を付け下さいね。
無事に便と一緒に出てくれば良いのですが、出てこないことも多いです。
今回は布団の綿を食べてしまったコーギーちゃん。
調子が悪いということでご来院でしたが、飲み込んだ綿が詰まってしまい、開腹手術になりました。
開けたら、腸管がアコーディオン状になっていました。そして胃から異物を除去。異物を除去した後は正常な腸管に戻りました。
出てきた異物はこんな感じでした。
かなり厳しい状態でしたが、なんとか良くなってくれました。
本当に良かったです。
先日病院に「歯ブラシの先を飲み込んだ」と慌てて来院された患者さんがおられました。
わんちゃんの歯磨きをしている途中で歯ブラシの先が折れてしまい、そのままわんちゃんが飲み込んでしまったとか。食べ物以外の物を飲み込んでしまうわんちゃんは結構多いのですが、これは焦りますよね。
このわんちゃんの場合、数日後にうんちと一緒に体の外に排泄されてめでたしめでたしでした。飼い主さんもほっとされたことでしょう。
今回は歯ブラシの先だったので、比較的排出されやすかったかもしれませんが、中には排出されない物もあります。そうなれば開腹手術などになる場合もありわんちゃんにとっても大変な負担になります。
大きなわんちゃんだとテニスボールをまるごと飲み込んだり、お父さんのゴルフグローブを飲み込んだりして開腹になったケースがあります。あとゴミを漁って色々な物を飲み込んでしまい、それらか腸の中で詰まって腸が壊死し、壊死した部分の腸を切断するケースなどもあります。
飲み込んで困る物を飲み込んでしまわないように、どうぞ気をつけてあげて下さいね。
これは食道異物です。
以前に来られた患者さんで、チワワさんが飲み込んで食道で詰まってしまったささみジャーキー。
食べられる物でも、詰まると危険です!
食道異物は、胃内異物や、腸管内異物よりも危険なことが多いです。
先生が内視鏡でとりました。
ところで、パピートレーニングのコーナーで、歯磨きについてご紹介していますので、そちらもご覧下さいね。
子犬の頃から通ってくれているゴールデンの女の子です。
実は生後数ヶ月でアジソン病ということが分かり、以来毎日お薬が欠かせない生活を送っています。お薬が無いと具合が悪くなり、最悪の場合命にかかわる病気です。
飼い主さんは「5年くらい生きたら万歳かな」とおっしゃっていたのですが、この秋無事に10歳の誕生日を迎えられました!
しかもこの子の場合、お薬の投薬量が最初から同じ量で安定していて、状態が変わらず元気に過ごしているそうです。
アジソン病と聞いて落ち込む飼い主さんが多いと伺いますが、こんな風にきちんとお薬で管理してあげれば、通常の子と変わらない生活を送って、普通に寿命を迎えることが出来るんですね。
子犬の頃から通ってくれているせいか病院が大好きなこの子は、いつも先生に会うと大喜びしてくれます。これからもますます元気で過ごして貰いたいと思っています。
マイクロチップってご存じですか?
動物たちの背中、首の下あたりに埋め込むチップです。
チップの中には飼い主さんに繋がるID情報が入っていて、リーダーで読み取れば簡単に飼い主さんが見つかります。
注射器みたいなもので簡単に装着して貰うことが出来ます。
海外では当たり前に普及しているそうですが、日本ではまだまだ珍しいと思います。
うちの病院でも、マイクロチップを入れている動物はとても少ないです。
海外などにお引っ越しで動物を連れて行く場合には、必ず入れなければいけませんが、そうでない人ではまだまだ広がっていません。
これがあると、迷子になった時にはすぐに飼い主さんが見つかりますし、とても良いと思うのですが、読み込む為のリーダーもまだ全然普及してないそうで、せっかくマイクロチップを装着していても見つけて貰えないそうです。
なんだかがっかりですよね。
うちの病院にはリーダーもチップを埋め込む為の物もそろっています。
うちに来られている患者さんが保護した時に「チップが入っているかどうか見て下さい」と連れて来られたりします。
迷子の動物たちが無事に飼い主さんのところに戻れるように、もっとたくさんの飼い主さんに知って貰って、どんどん普及したら良いのにと思います。
最近診察室に新登場した大きなモニターがあります。
レントゲンがデジタルになってから、診察室に設置しているモニターにつないで、すぐに飼い主さんに見て頂けるようになりました。
実はこれはただのモニターではなく、パソコンだそうです。
私たちはコンピューターに詳しくないのでさっぱりわからないのですが、患者さんの中には詳しい方もおられて「うわー、これ欲しいなぁ〜」とおっしゃっていました。
それでレントゲンの画像を見るためだけに使っていると話すと「なんて勿体ない!パソコンの機能の1/100くらいしか使ってないんじゃない?」と驚かれました。
うちの病院のスタッフは、全員がパソコンとかに興味が無いのでそれがどれくらい勿体ないことなのかさっぱりわかりません、でもこれはただのモニターではなく、色々なことが出来るものらしいです。
凄いですね。
でも触って壊れると困るのでやっぱりモニターとしてだけ使うと思います。笑。